ジュネーブで大ブレイク中、プログレッシブメタル界の新星「ジーザス」が遂に日本デビュー!System of a downやtoolを思わせるプログレッシブな曲展開とmettalica、slayerを彷彿とさせるクールなラウドサウンド!!!全世界をツアーする彼等の日本先行発売アルバムです!!
どんな天才といえども、その才能を正当に評価してくれる時と場がなければ、ただの人でしかない。
1966年9月、ジミ・ヘンドリックスは生まれ育ったアメリカを離れ、イギリスへと活動の場を移した。同年12月にリリースされたデビュー・シングル「ヘイ・ジョー」は、なんと全英で4位を記録。翌年の「紫の煙(Purple Haze)」が全世界で大ヒットしたことで、ジミ・ヘンドリックスという天才の名前は、ロック・シーンに初めて認められることになった……。
2005年の暮、スイスから来日してツア?を行っている4人組のバンドのウワサを耳にした。彼らは、自分たち自身で、ジュネーヴから日本各地のライヴ・ハウスに電話して、スケジュールをブッキングしたという。
その日ライヴをやる予定のライヴ・ハウスに行ってみたら、そこがなんとジャズ専門の場所で、演奏することができなかったり、ある地方ではライヴ・ハウスのある町にホテルがなく、途方に暮れてしまったとか……。2005年から2006年1月にかけて、彼らは数多くのエピソードに包まれながら、日本中をかけずりまわっていた。
Djizoes:??こう書いて“ジーザス”と発音する。2005年の暮に、まだ若くエネルギッシュな彼らのライヴを体験し、メンバーたちと話をしたのは、ボクにとっても貴重な体験だった。
それから1年。日本に続いて全米で同じようなツア?を経験した彼らが、再び日本へ戻ってきた。しかも、『in the papers』と題された1枚のアルバムを携えて。
2005年当時の印象では、少し暗めでアンダーグラウンドな、グランジ系のサウンドを出すバンドという感じだった彼らだが、やはり数多くのライヴをくぐり抜け、数多くのオーディエンスの前で演奏することで、そのバンド・サウンドには、大きな変化が起きていた。
それぞれのメンバーがかなりのテクニックの持ち主であることは、前年のツア?時にもわかってはいたのだが、そのテクニックを活かしきれる楽曲が、彼らには必要だった。しかも、いい楽曲が必要とされていた。
バンドにとっては重要な、その問題点をクリアしたうえで、他のバンドにはないオリジナリティを打ち出すことに成功していたのが、昨年末に彼らがリリースした『in the papers』だった。
21歳という最年少のメンバーであるドラムのVinchが叩きだすツー・バスを主体としたビートの強烈さに、リーダーでありながらサウンド全体を見渡しているベースのAlesのフレーズがからみついてDjizoes:の骨格を形作り、感性のほとばしるままに指先からフレーズを発散するIVの変幻自在なギター・サウンドは、若さに似合わない深みのあるセンスを聴かせてくれる。
そして、ヴォーカリストであり、Djizoes:の顔ともいうべきDjeのヴォーカル・スタイルも、彼のクチから吐き出されるひと言ひと言が、より説得力を増して、耳から心まで直接伝わってくるものに仕上がっていた。
たった1年、いや実質的には数ヶ月しか余裕はなかったはず。その短い時間のなかで、自分たちに適した楽曲を模索し、自分たちのサウンドを築き上げ、明確にそれを提示するという作業をなしとげた彼らは、1年前とはまったく違った表情で、日本各地のステージに降り立っていた。
Djizoes:がアルバムで打ち出したサウンドは、グルーヴを押し出しながらも、ただ勢いにまかせて突っ走るのではなく、強弱のアクセントからスピードの変化を完璧にコントロールし、プログレ的と思われるような楽曲の展開にもチャレンジしている。
ともすると、それはまるで、ひとつのスタイルに固執することを恐れているかのようにも見えるが、あらゆる音楽的手法を身内にとりこみ、それを彼ら自身のものとして昇華するというポジティヴな方法論に到達したからこそできるアンサンブルでもある。
スイス発、日本育ちのこの音は、間違いなく世界で通用するだけのクォリティを持った作品になっている。かつて、イギリスがジミ・ヘンドリックの革命的な音を受け入れ、70年代初頭の日本のロック・ファンが世界に先駆けてクイーンを見いだしたときのように、いま日本に生きているボクたちには、Djizoes:というバンドがいる。
時代はめぐり、くり返す。21世紀のロックが、この日本から誕生しようとしているのだ。
2007年2月14日
大野祥之
http://www.fuzz.jp/
かつてジーザスという名を持った男が世に現れ、その後、何世紀にも渡って世界に多大なる影響を与えた。ジョン・レノンはビートルズの知名度をそのジーザスという男と比較し、世界中から非難を浴びた。駆け出しのバンドがそのあまりに知れ渡った名前を名乗ることは冒険である。しかし何事も頭をひねればうまく行く、という事を理解しているスイス出身のミュージシャン達がいた。
Djizoes という奇妙な綴りでジーザスと発音する。彼らの音楽はそのネーミングと同様、まさに頭をひねって練りに練って完成されたものだ。The Metal of Djizoes is pure and true というキャッチフレーズを歌ってはいるが、その音楽をメタルというカテゴリーに詰め込もうとするのは安易過ぎる。ヘヴィなギターリフ、ダブルキックの連打、複雑なベースライン・・・それらは確かに過去35年ほどの間に数多くのハードロックバンドが積み重ねてきた音である。しかし彼らはその形式の枠を少しはみ出して聞く者に問いかけている。彼らには一連のハードロック/メタルのバンドにはないオリジナリティがあるのだ。
ジェイのボーカル、それはまさに”歌”声であり、”肉”声である。彼の父親はかつてスイスからインドに徒歩で旅行をしたと言う。そしてシタールというインドの民族楽器を持ち帰ってきたらしいが、彼の声にはそのシタールの雰囲気にも似た摩訶不思議な共鳴を感じる。そしてこのバンドのキーマン、アレスの書く歌詞と見事に調和している。アレスは言っていた。俺たちの音楽が作られる過程で、最も重要なのは歌詞だと。私自身、驚いた。スイスのバンドにここまで質の高い歌詞が書けるとは思ってもみなかったからだ。それは言葉の羅列ではなく、劇的で独特の響きを持ち、あまりにも完璧すぎるほどジェイの声にマッチしている。
そして実に完成度の高いヴィンチのドラム。彼は私がこの30年ほどの間に見たドラマーの中でも、最も驚異的でエネルギッシュなドラマーと言える。ダブルキックが早いとか、そういうレベルではない。激しい中にうねりがあり、微妙なタイミングをかもしだす。ギターのイヴは異様なフレーズを好んで弾いているようだが、それはジャズや民族音楽からの影響なのかもしれない。彼のコードワークは並みのレベルではないが、その辺りもこのバンドのサウンドを異端なものにしている要因の一つだろう。
まだ世界から順当な評価を得ていない段階にありながらも、ここまでの才能を持った若いミュージシャンが集まり、その能力を結集したアルバム。それがこの「in the papers」である。未来を予言するのは簡単ではないが、彼らがとんでもない可能性を秘めているのは間違いない。ヨーロッパ出身のバンドが世界的に成功するのも簡単ではないが、やはり隠れた才能の宝庫として音楽ファンの注目はこれからもヨーロッパに集まるだろう。80年代にコロナー(Coroner)というスイス出身のテクノスラッシュ・バンドが活躍した(今も現役なのだが)。実はアレスが尊敬しているバンドがこのコロナーだ。しかしジーザスは間違いなくコロナーを超えた存在になるだろう。
Nikki Matsumoto : Musician/Lyricist
http://www.jc-i.jp/nikki.htm
■OFFICIAL WEB SITE
http://www.djizoes.com/ |